腰の痛み

腰痛について

腰痛について考えてみましょう。

原因が明らかな腰痛は、わずか15パーセント

腰痛の原因が明らかで、傷病名が付くものは、腰椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、腰椎分離症、すべり症など、レントゲン検査や、CTスキャン、MRI検査の画像診断で見わけの付くケースのみです。

それらの傷病は、腰椎全体の、15パーセントと言われています。

つまり、残りの85パーセントの腰痛は、原因の特定が難しいそうです。

その、残りの85パーセントの腰痛の原因として、「腰椎由来」「神経由来」「内臓由来」「血管由来」「心因性(ヒステリー、つう病など)」の大きく5つに分かれるとされています。

一言で腰痛というと単純に聞こえますが、その原因は色々と有ります。

多くの腰痛の、最終的な原因としては、筋肉にたどり着くと思います。

腰痛に限らず、多くの痛みの原因は、筋肉が硬くなる事により起こります。

筋肉の異常緊張とか、異常収縮と言われる状態です。

それは、どのような状態の事でしょうか?

私の場合は、二種類に分けて捉えています。

一つは、本人が全く意識していないのに、筋肉に力が入りっぱなしで、常に緊張している状態です。

もう一つは、筋硬結といって、筋肉の中に老廃物や、緊張成分になるカルシウムなどが溜まっている状態です。

一つ目の筋肉に力が入りっぱなしの状態では、仰向けに寝せて、足を持ち上げて動かすと、ガチッ!ガチッ!と抵抗を感じます。

本来の可動域まで動かず、途中で止まってしまいます。

そんな状態では、血管は圧迫される為、血行障害を起こします。

血行障害を起こせば、血液の供給量が減るのは、想像できる事でしょう。

血液は、酸素や栄養を身体中に運ぶ役割が有る訳ですから、それが供給されない部位は、酸欠状態に陥るのです。

痛みには種類が3つ有ります。

一つ目は、切り傷や打ち身などの外傷による痛みです。

二つ目は、筋肉が筋力以上の運動をした場合の痛み、つまり、一般的に言われる筋肉痛です。

三つ目は、特別に何もしない状態にも関わらず痛む状態です。

一つ目と、二つ目の原因で有れば、数日で痛みは消えてしまう事が多いと思います。

問題は、三つ目の何もしないのに痛む場合ではないでしょうか?

その三つ目の原因は、細胞の酸欠状態を神経終末が感じ取り痛みとして、脳に伝えています。

つまり、何らかの理由で筋肉が硬くなり血管を圧迫している為、筋肉の細胞が酸欠状態に成っている訳です。

では、どうなると筋肉は硬くなるのでしょうか?

筋肉が硬くなる原因

大きく分けて、2つの原因が有ります。

一つは、筋肉を使い過ぎ、酷使した場合です。

もう一つは、使わな過ぎ、運動不足です。

使い過ぎは、職業病と言われる様に、一定の動きを繰り返す事によって起こる事が多いと思います。

使わな過ぎは、寝たきりや、極端に身体を動かさない事によって起こります。

それと、私が特に着目しているのは、悪い姿勢です。

姿勢が悪いと、背中の筋肉などは、パンパンに張った状態になります。

つまり、姿勢が悪いだけで、常に筋肉が緊張している訳ですから、動いていなくても、筋肉を使い過ぎている状態に陥ります。

その他にも着目するべき点としては、関節の動きです。

関節の動きの重要性

では、私の場合は何を考えて施術を行っているのか?について説明して行きます。

先ずは、私が基本として使っている手技である、JRC関節可動回復矯正法では、何を重視して施術を行うのかと言うと、一番重要とされているのが、骨盤の仙腸関節になります。

一般的には、先程出てきた、「腰椎由来」と言って、骨盤の上に有る、腰椎の方が重視されます。

骨盤の仙腸関節は、可動範囲が非常に狭く、2mm程しか動きません。

少ししか動かない為、不動関節、つまり、動かない関節という考え方の方で施術を行っている治療家も多いと思います。

仙腸関節の重要性

骨盤の仙腸関節が腰痛では、一番重要と思う訳ですが、この仙腸関節は2mm程度しか動かない関節です。

この、たった2mmの動きですが、仙骨が滑り落ちる様な形で、引っ掛かってしまうと、引っ掛かった側の背骨を支えている、脊柱起立筋が異常収縮します。

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異常収縮、異常緊張とは、自己防衛と思うのですが、筋肉に勝手に力が入りっぱなしの状態です。

やはり、これも、筋肉を使い過ぎた状態です。

緊張が強すぎる場合は、炎症を起こします。

ぎっくり腰ですね。

ぎっくり腰も幾つかのタイプに分かれますから、その中の一つと捉えて下さい。

この仙腸関節は、引っ掛かったままにすると、二次的にお尻の筋肉、大殿筋や梨状筋も緊張して来る事も有ります。

お尻の筋肉が異常収縮すると、神経や血管を圧迫するので、椎間板ヘルニアのような坐骨神経痛を起こす原因にも成るのです。

色々な療法で、骨盤の仙腸関節が重要と言われていますが、背骨や肋骨が引っ掛かった場合も、やはり引っ掛かった関節の周囲の筋肉は、緊張しますので、同じく力が入りっぱなしになります。

力が入りっぱなしですから、血管は圧迫されます。

結果、腰痛を起こします。

そこで当院では、JRC療法(関節可動回復矯正法)という矯正法を行います。

この矯正法は、骨の位置を整えるという考え方ではなく、関節包内運動を回復させる、つまり、関節包内の骨の動きを整えます。

関節を一脱させませんので、ボキッとか、バキッと矯正音を出さずに、ジワッっと動かす矯正法になります。

では、関節の引っ掛かりが無ければ、腰痛には成らないのか?というと、多くの場合は改善しますが、経験上そうも行かないケースも多々有ります。

筋肉が原因のケース

関節の引っ掛かりが取れて、異常収縮する必要が無いのに、筋肉の習慣性がおかしくなり、上手く力が抜けない状態や、筋膜が癒着して縮んでいる状態や、筋肉の中に老廃物や緊張成分のカルシウムが溜まっている状態などです。

そのような場合には、ここまで動いても大丈夫ですよ、という感じに下肢を誘導して行きます。

そこに一定の圧を掛け続けると、筋膜が緩み、動ける範囲が広がって行きます。

場合によっては、腰の筋硬結に直接牽引を掛けて、筋肉の塊を小さくしたりもします。

この場合に、PNFストレッチのPNF筋整復法や、筋膜リリースの施術を行います。

筋膜リリース 腰痛

もちろん一度の施術では、取れる筋肉の異常には限界が有りますし、炎症性の痛みが有ると、その場では取れない痛みも有ります。

炎症性の痛みが残るケース

そのような場合には、スパイラルテーピングによる、消炎処置を行います。

腰痛のスパイラル・テーピング

重度の場合は、さらしを軽く巻いて腹圧を高める事も有ります。

関節の動きを確保する事により、炎症性の痛みも取れやすくなりますので、その上で消炎処置を行う訳です。

そもそも、今出ている腰痛の原因が腰に有るのか?

腰が痛い」と言う申し出であっても、そもそも腰に原因が無い場合が有ります。

私の場合は、施術に入る前に、どこに問題が有るのかを、スパイラルOリングテストにより特定します。

腰その物の、腰椎に反応が有る場合も有りますが、背中で有ったり、骨盤で有ったり、股関節で有ったりと、その人によって様々です。

本人としては、腰が痛いと思っていても、腰椎に問題が無い場合は、腰椎に処置を行っても、的外れな施術になってしまいます。

問題箇所を見付けてから処置する事によって、的確な手法選択が可能になる訳です。

姿勢について

姿勢についてですが、どんなに身体を整えても、姿勢が悪いと、それだけで又、腰痛は再発しやすくなります。

そこで指導している事が有ります。

立ち上がる時に上を向くという、単純な事です。

試しに、行ってみて下さい。

先ずは、下を向いて椅子から立ち上がってみて下さい。

鏡の前で行うと違いがよく分かると思います。

続いて、今度は、グッと顔を上げて、天井を見るような形で、立ち上がってみて下さい。

立ち上がったら、顎を引きます。

明らかに、上を向いて立ち上がった時の方が、背筋が伸びて良い姿勢で立てて居るのが分かるはずです。

よく腰痛を起こす人は、必ずと言ってもいいほど、下を向いて立ち上がる癖がついているものです。

そこから変えて行くのも、腰痛改善のためには重要なポイントの一つと思います。

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