セルフケア

膝のストレッチ

膝の手ばさみストレッチ

膝のストレッチ

膝のストレッチは、色々と有ります。

その中でも、効果的と感じるものを、紹介します。

効果的と感じるとは、患者さんに指導してご本人にやって貰って、結果が出やすいと感じるものという意味なので、やってみる価値が有ると思います。

逆に効果を感じない運動療法としては、パワーアンクルなどの重りを足首に装着して、膝を伸展する方法です。

一般的に指導される事が多い運動療法ですが、それをやって痛みがやわらいだケースを見た事が有りません。

運動療法としては、スパイラル療法の呼吸を利用する運動療法がお勧めですが、今回はストレッチのお話しなので、またの機会にご紹介したいと思います。

セルフケアを分類すると、大きく分けては、ストレッチと運動療法になります。

ストレッチは硬くなっている、関節や筋肉を緩めるのが目的で、運動療法は弱くなり支える事が困難になっている筋肉の強化法となります。

今回は、ストレッチの方をご紹介します。

膝のストレッチの場合、膝関節を狙ったものと、ももの前面、下肢の後面、膝蓋骨の周りなど、筋肉を狙ったものに分かれます。

膝関節を狙ったものから説明して行きます。

  1. 膝の手ばさみストレッチ
  2. 膝のバスタオル・ストレッチ(1)
  3. 膝のバスタオル・ストレッチ(2)

の3種類を紹介しますが、これら3つは目的は一緒で、患者さんの膝の固まり具合で使い分けます。

❶膝の手ばさみストレッチ

①膝の手ばさみストレッチ、から説明いたします。

このストレッチは、膝の関節可動域は、それ程制限が掛かっていないものの症状が有る方や、スポーツ選手のオーバーワークによる症状に適しています。

では、やり方を説明します。

①足を肩幅より広めに開き、膝の裏に手をあてます。

膝のストレッチ

②次に、膝の裏を持ったまま、かかとを上げてしゃがみます。

膝のストレッチ1

上体はしっかり起こし、背中が曲がらない様にしましょう。

テコの原理で、狭くなった膝関節の間隔を拡げます。

この時、かかとは上げましょう。

③このまま、お尻を上下に30回ほどバウンドさせます。

膝のストレッチ2

狭くなっている膝関節を拡げる事により、関節包内に関節液が入りますので、動きが良くなり、痛みの改善に繋がります。

軽度の膝痛などは、これだけでも症状がやわらぐ事も多々有ります。

❷膝のバスタオル・ストレッチ(1)

次に、②膝のバスタオル・ストレッチ(1)です。

こちらは、①膝の手ばさみストレッチでは、キツイ方向けのやり方となります。

②膝のバスタオル・ストレッチ(1)、③膝のバスタオル・ストレッチ(2)では、バスタオルを使います。

使うのは、バスタオルを四つ折りにして丸めた物です。

①丸めたバスタオルを、膝の裏に深く入れます。

②そのまま正座をします。

背筋を伸ばして、30秒キープします。

これを、毎日数回行い、余裕で出来る様になったら、次にご紹介する、膝のバスタオル・ストレッチ(2)に移行します。

バスタオルでもキツすぎる場合は、座布団を二つ折りにした物を挟んで行って下さい。

❸膝のバスタオル・ストレッチ(2)

こちらは、膝のバスタオル・ストレッチ(2)です。

膝のバスタオル・ストレッチ(1)は、余裕で出来るけれど、膝の手ばさみストレッチは、キツくて出来ないという人向けの方法です。

①バスタオルを丸めた物を、痛い方の膝裏にはさみ、しゃがみます。

膝のストレッチ3

②手ばさみストレッチと同じく背筋を伸ばして、30回ほど上下にバウンドさせます。

これまでに、膝の手ばさみストレッチ、膝のバスタオル・ストレッチ(1)、膝のバスタオル・ストレッチ(2)と、三種類のストレッチ法を、ご紹介しました。

手ばさみストレッチも、バスタオル・ストレッチ(1)・(2)も、膝関節の硬さの程度の違いだけで、目的は一緒です。

テコの原理で、膝関節を開く事が目的です。

関節を開く事により、関節包内に関節液が入り、関節包が膨らんで関節液で満たされます。

関節の動きが良くなるので、膝の不快も緩和される訳です。

膝のバスタオル・ストレッチ(2)が余裕で出来る様になったら、膝の手ばさみストレッチに移行しましょう。

以上が関節を狙ったストレッチですが、実は関節だけに効かせるつもりが、膝裏の筋肉の腱の部分に圧を加えた状態にもなります。

膝裏の硬くなっている腱を緩める効果も有るので、効果的なのだと思います。

膝蓋骨ストレッチ

続いて、膝のお皿、膝蓋骨のストレッチを紹介します。

膝蓋骨の周りの筋肉が硬くなっていて、不調を抱えている方もいらっしゃいます。

膝の前面で、膝の関節より上に不調を感じる方は、このストレッチも行った方が良いでしょう。

やり方は、膝を伸ばした状態で、お皿を上・下・内側・外側・斜め上・斜め下と各方向に押します。

硬い方向が有れば、そこは何度か繰り返して、硬さを取って行きます。

それから、膝蓋骨をつかんでグルグル回します。

下肢後面ラインのストレッチ

続いて、脚の後面ラインに移ります。

脚の後面ラインのストレッチ法は、ストレッチの本などを見れば、いくらでも出て来ると思います。

それは、どれを使っても良いでしょう。

手軽なものとしては、膝をある程度曲げられる人で有れば、片脚を曲げて、しゃがむ様な形で、片脚を伸ばして行います。

下肢ストレッチ1 下肢ストレッチ2

15から20秒くらい伸ばします。

これは後面ラインです。

下肢内側ラインのストレッチ

ついでなので、足先を前に倒します。

この状態では、内転筋肉など内側ラインを狙う事が出来ます。

内側ラインも内転筋など重要な筋肉が有りますので、一緒にストレッチをかけます。

自分で出来る膝に対するストレッチのご紹介でした。

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