足底筋膜炎(腱膜炎)・踵骨棘とは
足裏の痛みと言えば、かかとの骨折でも無ければ、足底筋膜炎(そくていきんまくえん)または足底腱膜炎(そくていけんまくえん)か、踵骨棘(しょうこつきょく)と診断される事が多いと思います。
足底筋膜炎と足底腱膜炎の違い
まずは先に、足底筋膜炎と足底腱膜炎の違いからです。
医学的診断名が足底腱膜炎で、一般的に普及している総称が足底筋膜炎です。
つまり一緒のものです。
足底筋膜炎・足底腱膜炎と踵骨棘の違い
足底筋膜炎・足底腱膜炎と踵骨棘の違いは何でしょう
基本的には、同じようなものですが、かかとの骨に骨棘(こつきょく)というトゲのようなものが出来ているか、いないかの違いです。
足の裏の筋肉が異常緊張・異常収縮を起こし、かかとの骨が引っ張られ続ける事により、踵の骨が変形してトゲ状に出てくると考えられています。
足底筋膜炎の延長線上に踵骨棘が起こり得ると言った感じですね。
症状としては、歩き始めに痛いが歩いているうちに痛みが軽減するケースも有りますし、歩く時は常に痛い人もいます。
足のアーチを支える事が出来ずに、踵が内側に倒れた使い方をしている方に多く起こります。
こんな感じです。
踵の内側ばかり刺激される状態ですね。
その状態で、バタバタ歩いたりすると・・・痛そう(^^;)
しかし、この骨棘って有っても痛くない人や、レントゲン検査をすると両足の踵に踵骨棘が出来ている事が確認されるけど、片足だけ痛くて、もう一方は全く痛くないという人もいます。
本当に踵骨棘が出来ているから痛いのかな という疑問も生まれます。
中には、こんなケースも
足の裏、かかとの部分が痛くて病院に行きました。
レントゲン検査の結果、踵骨棘と言って、トゲ状の骨が出来ていますので、それが当たって痛いのです。とお医者さんに言われたら納得しますよね。
しかし、こんなケースも有ります。
両足のレントゲン写真を撮って貰ったら、右も左も両方とも踵骨棘が出来ているそうです。
でも、左だけ痛くて、右は痛くないんです。。。なんで
踵骨棘と言えば、かかとに仮骨が出来ていると言うのが、一般的に普及している理論です。
しかし、一部の学者は別の理論を唱えています。
踵骨棘に対する、有る生理学者の理論
あれは仮骨ではなく、足底腱膜の腱の部分に緊張成分のカルシウムなどが溜まった状態で、そのカルシウムがレントゲン上では、トゲのように映ってしまう。
というものです。
実際の施術でも
実際の施術でも、痛みが取れにくい場合は、数回しごいてテーピングを貼っていると、早く痛みがやわらぐという現象が度々起こります。
骨が出来ていて、当たるから痛いと考えると、インソールなどで衝撃を吸収して我慢するしか無い様に思います。
しかし、カルシウムが溜まっていると考えると、対処出来ると思いませんか
メルクマニュアル医学百科によると
踵骨棘は、かかとの骨(踵骨)が増殖したものです。かかとの裏側の骨から足指の根元まで伸びている結合組織の足底筋膜が、かかとの方に過度に引っぱられると、骨棘が形成されます。通常は骨棘ができると痛みを伴いますが、靴などで足を調整すると痛みは軽減します。ほとんどの場合、手術をしなくても治療できます。
と紹介されています。
足底筋膜炎(腱膜炎)と踵骨棘の施術
骨・関節の施術
足底筋膜炎(足底腱膜炎)・踵骨棘について、骨・関節から考えてみましょう。
足底筋膜炎と踵骨棘は、同じ様な原因で痛みが出ていると考えられます。
共通しているのは、足底腱膜が異常緊張・異常収縮を起こし、硬くなっている。
又は、緊張して踵骨を引っ張っている。
もしくは、足のアーチが潰れている為、足底腱膜が引っ張られ続けている。
とも考えられます。
骨から考えた場合、骨がどうなると、筋肉が緊張するのでしょうか
骨の関節部分が引っ掛かりロックを起こすと、筋肉は緊張してしまいます。
足の骨は、細かい骨の集合体で構成されています。
細かい骨では有りますが、それぞれに関節が有り、小さな動きですが、動ける事により、足全体的なクッションを作っています。
足の関節というのは、実はいっぱい有ります。
骨と骨が、くっついている所は全て関節になっています。
そのいっぱい有る関節の中の所々にロックが有ると、筋肉は緊張するし、足のクッション性も落ちるので、足に掛かる衝撃をまともに喰らう事になります。
筋肉が緊張しているだけでも、疲れて痛くなると思いますし、さらに衝撃が加われば更に痛みは増すでしょう。
施術としては、JRC関節可動回復矯正法で、関節のロックを外して、足の柔軟性を取り戻し、クッション性を高めると共に、足底腱膜が緊張しなくて良い状態を作る事を考えて処置を行います。
筋肉の施術
足の裏の痛みと考えると、足の裏の足底腱膜だけが緊張しなければ、改善してくれそうに思えますが、そうは行かないケースも有ります。
その場合、私の考えとしては、症状は足の裏だけ有るが、実はもっと上の脚全体の筋肉の硬さが有るのではないかと考えます。
ふくらはぎや、もも、お尻などの筋肉が緊張して硬くなると、足への血液や体液の流れが阻害されます。
流れが悪くなり、溜まった状態になってしまいます。
足に流れて行った血液・体液が体幹に戻れず、むくんだ様な状態です。
手の場合、そんな状態になると腱鞘炎を起こしやすくなります。
あくまでも仮説ですが、足の場合は、足裏の痛みとして出る事が多いのではないかと、考える事が出来ます。
施術としては、PNFストレッチ系のPNF筋整復法で脚の筋肉に柔軟性を持たせて、血液・体液が体幹へ戻れる様に促します。
場合によっては、直接患部をしごいたり、ジワッ―と押して、溜まっている、老廃物や緊張成分のカルシウムを排出させる事も有ります。
テーピングの施術
足底筋膜炎(腱膜炎)や踵骨棘に対して、私の場合は、スパイラル・テーピングを直接患部に貼付します。
以上の様な施術を行っております。
足底筋膜炎(腱膜炎)や踵骨棘など、足裏の痛みにお悩みでしたら、是非ご相談下さい。