ストレートネック
最近、ストレート・ネックと病院で診断をされて、なかなか良くならないと来院される方が多いので、私の見解を述べておきます。
一般的に首の骨の前方への湾曲が減少して、真っ直ぐになっている状態をストレート・ネックと言われています。
骨の湾曲がクッションになっている為、湾曲が減少すると頭の重みを支える事が困難になるので、圧迫されて、首が痛くなるという考えになります。
その他、筋肉が緊張して硬くなると、痛みを感じます。
筋肉に通っている神経が、筋肉の血行不良による酸欠や、疲労物質が溜まった状態を痛みとして感じるものなのです。
筋肉の過緊張を取り除く事を考えないと、なかなか良くならない訳ですよね。
そして、首の筋肉だけ緩めた場合、その場は楽だけど、すぐに戻ってしまうという事が起こります。
実は原因は、首だけでは、無いのです。
ストレートネックの原因
首
首その物が原因のストレートネックは、スマホっ首と言われる状態です。
スマートフォンを覗き込む為に、頭が前方に突き出て、首が伸び切っているのです。
首を矯正して、身体の使い方を変える必要が有ります。
その他に、姿勢を良くしているつもりで、顎を下げているケースが有ります。
顎を後方に引くのは良いのですが、下に下げるのはダメです。
骨盤
首だけを治療して改善するものの、戻ってしまうケースについて、お話させて頂きます。
先ずは骨盤と首の関係性についてです。
左右の骨盤の使い方、違いが分かりますか
左の写真は、骨盤が後ろに下がった状態で、右の写真は、骨盤が起きている状態です。
骨盤の使い方によって、腰椎の湾曲が、ぜんぜん違いますよね。
左は腰の反りが無くなっています。
右は腰が反っていますよね。
※但し、反り過ぎると腰痛になりますので、写真よりも軽度の反りで充分です。
これを全身の状態で見てみましょう。
左は全身の生理的S字カーブが減少し、姿勢が悪くなりますので、頭が前方に突き出して、首がストレートになります。
右は全身の生理的S字カーブがしっかり出来ていますので、首はちゃんと前方に反っているのが分かると思います。
左の様な状態では、首の筋肉を緩めても、不自然な体勢ですから、又すぐに緊張して痛くなります。
施術を受けてよくなるのに、戻ってしまう場合は、骨盤の状態もチェックしてみる必要が有るのです。
肩甲骨
骨盤に続き、肩甲骨についてです。
肩甲骨と首には相関関係があります。
肩甲骨の状態が良くないと、首も良い状態にはなれません。
良くない使い方は、肩が前に出て、内側に巻き込んだ使い方です。(左の写真)
そして良い使い方とは、胸が開いて、肩が後方に収まっている使い方になります。(右の写真)
骨格模型では、こんな感じになります。
肩甲骨が前方に巻き込んだ状態では、 生理的湾曲である綺麗なS字カーブは作れないのです。
おまけに運動不足で、肩甲骨が癒着を起こしガチガチに硬くなると、連動して首の筋肉もガチガチに硬くなります。
首の筋肉を緩めて症状が改善しても、また戻ってしまう場合は、肩甲骨の状態もチェックしてみる必要があるという訳です。
背中
首の筋肉を緩めて改善するものの、すぐに戻ってしまうケースなどに考えなければいけないポイントの一つに背中が有ります。
いくら首の筋肉を緩めても、背中が丸まっていると、すぐに又、首の筋肉は硬くなってしまいます。
骨盤が後傾して、お尻が下がっていると、背中も曲がりますので、骨盤を起こす事は基本的に必要です。
これは横から撮った写真で、其々の写真の向かって右側がお腹側、左側が背中側です。
左の写真が骨盤が起きた状態で、右の写真は骨盤が後方に下がってしまった状態です。
これを全体的に見てみましょう。
この違い、判りますか
左が背中が丸まった状態、右が綺麗な背骨の状態です。
左は骨盤が後方に下がっているので、背中が丸くなってしまいます。
右は骨盤が起きているので、背中を伸ばす事が出来ます。
と言っても、逆もまた真なり。
背中が伸びると、骨盤の角度も正常になったりします。
一番重要なのは、背中ではないかとも考えられます。
施術としても、骨盤を起こさせた状態から、背中を反らせて、肩甲骨を後ろで寄せてあげると、首の硬さが大幅に緩んだ状態に成ったりします。
背中って、首の症状を改善させる為には、結構重要なポイントなんですよ。
ストレートネックの施術
骨・関節の施術
当院の施術は、JRC関節可動回復矯正法という、カイロプラクティックの一種ですが、非常にソフトタッチな矯正を行います。
JRC関節可動回復矯正法では、骨盤の仙腸関節を中心に、背骨、肋骨などの関節の引っ掛かりを解除して、本来の動きが出来るように導きます。
関節の引っ掛かりを解除する事により、その骨に付いている筋肉の緊張を弛緩させる事が出来ます。
筋肉の矯正
骨・関節の矯正で、ほとんどの人に効果が見られるのですが、中には筋肉や筋膜の癒着や、筋肉の習慣性がおかしくなっている為に、効果が見られない事が有ります。
その様な場合には、PNFストレッチのPNF筋整復法を行います。
ストレートネックの場合は、縮んでいる胸部の筋肉にストレッチを掛けて、胸を張れる様に導きます。
スパイラル・テーピング
スパイラル・テーピングの施術は、ストレートネックに限らず、身体全体を見て、問題箇所を見付けて処置を施します。
首が辛くても、首に貼るとは限りません。
背中で有ったり、脇腹で有ったり、ツボで有ったりします。
検査を行い、テーピングが必要な所を探して貼付します。
テーピングの処置を行った後に、その処置が合っているのか、再度検査を行います。
身体が、その処置を嫌がっていない事を確認して、その日の施術を終了します。
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