肩の痛み

四十肩・五十肩について

肩の関節痛

四十肩・五十肩について

四十肩の体験談

四十肩・五十肩についてのお話しです。
傷病名としては、肩関節周囲炎と言います。
実は私も、数年前に一度、なった事が有ります。
と言っても、それほど酷くないので、四十肩では無いと思っていました。(笑)
私が発症したのは、棘上筋という筋肉です。

加齢と共に痛め易い筋肉の代表的な所です。
私が発症したのは、棘上筋の外側の腱の所でした。
それでもサーフィンは続けていました。
そして、どうなったのか
その頃は、緩消法という筋弛緩法を、教わっていたので、そこに指先を当てて、動かす、という方法を行いました。
腱の中に溜まっている、緊張成分のカルシウムを取り出す為です。
でも、これが中々時間が掛かって、取り切れない
う~~~ん、強めにやってみよう、自分の身体だから、実験です。
腱を直接コリコリやってみました、自分の身体なので、ちょっと荒療治。
ちょっと痛い治療になってしまいましたが、痩せこけていた腱が、ふっくらして弾力性が出ました。
それと共に、肩の痛みも消失、治癒したという経験が有ります。
但し、四十肩・五十肩には、いくつかのパターンが有ります。
パターンにマッチした方法を取らないと、逆に悪化しますので、ご注意ください。

四十肩・五十肩の原因

母指球

腕を挙げると痛いです。
腕が上がりません。
と来院された患者さんに、真っ先に試すのが親指の付け根です。

親指付け根を押さえます。
押さえたまま、腕を上げてみて貰います。
それで上がれば、または上げやすくなれば、手の使い過ぎで、四十肩・五十肩になっているタイプです。
肩その物は、それほど悪くないのに、手の部分で筋肉や筋膜に癒着が起こり、手に引っ張られて、腕が上がらないタイプなので、手の癒着を剝がす必要が有ります。

剝がすとその場で、結構上がる様になります。
と言っても、手だけが使い過ぎという訳には行かないので、全身を整えた上で、手の調整をすると良いです。
私の経験上、母指球の硬くなっている所を押さえた状態で手根骨の関節ロックを解除すると、筋肉の硬さが取れてくれるので、手が上げやすくなります。

肘、腕橈骨筋

肘に原因が有る場合は、手首の使い過ぎから発症します。
手首を反らせる動きや、親指側に曲げる動きのやり過ぎ、力の入れ過ぎが原因になります。
その動きのやり過ぎで、老廃物が溜まって硬くなったり、癒着を起こすのが、腕橈骨筋という筋肉です。

手をいっぱい使っている人は、この筋肉を押さえると痛いと思います。
私も手を良く使うので、押さえると痛いです。
この筋肉の深い所を押さえた状態で、腕を上げて貰います。
上げやすくなる場合は、腕橈骨筋が原因の一つになっていると考えます。
筋肉を単体で考えると関係なさそうですが、筋膜で繋がっているので、肘の部分の硬さで有っても、肩に影響が出てしまいます。

私の経験上、単純にココだけが原因という事が少なく、あくまでも原因の一つと捉えて、ココの筋肉・筋膜の硬さを取り、癒着を剝がします。
すると、ココが原因になっている分だけ、上げやすくなります。

肩甲骨

四十肩・五十肩など肩の痛みで、見落とされがちなのが、肩甲骨の動きでは無いでしょうか

肩が痛い場合、肩甲上腕関節、といって肩甲骨と二の腕の関節ばかり見てしまい、肩甲骨は、それほど重要視されない事が多いのではないかと思います。
ところが結構、重要です。
なぜなら、肩甲上腕関節の動ける範囲には、限界が有るからです。
肩甲上腕関節という物は、前から上に挙げたり、横から上に挙げたり出来る角度は120度が限界です。
つまり、肩の関節だけでは、真上まで挙げられない訳です。
真上まで挙げると180度ですよね。
そこまで挙げる為には、残りの60度が必要です。
その60度は、知らず知らずのうちに、肩甲骨が動いてくれている訳です。
肩甲骨には、肩甲上腕関節の他に肩鎖関節といって、鎖骨との関節しか有りません。
宙に浮いている様な骨になります。

肩甲骨は、体幹の肋骨にペタッと、へばり付いていて、骨同士が直接繋がらない機能関節で、肩甲胸郭関節と呼ばれる関節になっています。

だったら動きやすいので、硬くならないのでは と考えたくなります。
ところが逆で、不安定な骨なので、強靭な筋肉に支えられています。

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その強靭な筋肉達が、老廃物や緊張成分で硬くなったり、近くの筋肉同士で癒着を起こすと、肩甲骨の動きが、とても狭くなります。
中には、ガチガチで全くと言って良いほど、動かない方も、いらっしゃいます。
この肩甲胸郭関節は、四十肩・五十肩の場合、必ず緩める必要が有ると私は考えています。
ここを緩める方法は、背中側から肩甲骨と肋骨の間に手を入れて、動かしたり、引っ張って癒着を剥がしたりします。
近年ちょっと流行っている、『肩甲骨はがし』ってやつですね。
流行ったから、やっている訳では有りませんよ。(笑)
20年以上前から使っている手法になります。
それを行う事により、肩甲骨に掛かっていた分の、可動制限を除去する事が出来ます。

猫背

四十肩・五十肩を患っていなくても、猫背になっている人は必ず、腕があまり挙がりません。
何故かと言うと、ネコ背になると、肩甲骨が外側に開いて、肩が内巻きに成るからです。
試しに、やってみると良いです。
普通に腕を上げてみて、上がる角度を確認します。
今度は、わざと猫背にして、腕を上げてみて下さい。

ぜんぜん上がらないでしょう。(笑)
これは肩の関節の作りが、そうなっているからで、何も不思議な事では有りません。
挙上できる範囲が、とても狭く成っている状態で、無理に高い所の物を取ったり、洗濯物を無理をして干したら、どうなるでしょう。
そうです、関節の可動域を、脱してしまいます。
関節の可動域を脱するとは、どういう事か考えてみましょう。
例えば、足首で考えると
何かにつまずいて、足首を捻り関節の可動域を脱してしまいました、それは・・・
捻挫ですよね。
靭帯や関節包や筋肉、場合によっては骨や軟骨にもキズがついて損傷しています。
肩で有っても同じ事が起こります。
動くはずの無い範囲まで動かすと、組織を損傷したり、挟み込んで炎症を起こしたりします。
キズが付いて損傷している組織、炎症を起こしている組織は、安静にして組織の修復を促す必要が有ります。
ところが、痛いけど、また高い所の物を取りました、洗濯物を無理をして干しました。
そして、また痛く成りました。
こんな事を繰り返していたら、いつまで経っても、キズや炎症が修復されません。
つまり、猫背に成っている人は、高い所に手を伸ばしてはいけないのです。
あるいは、猫背を改善させて、肩甲骨の位置を戻し、本来の肩関節の可動域を確保する必要が有る訳です。
猫背を改善させる為には、骨盤、背骨、肋骨、鎖骨、肩甲骨の関節ロックを取り除く事と、前側に引っ張っている筋肉を緩める事が効果的と思います。

夜間痛対策

四十肩・五十肩を患っている方は、寝る時に痛くて困るケースが多いです。
なぜ、寝ている時に痛みが出るのか
幾つかのパターンが有りますが、代表的なパターンの対処法をご紹介致します。
寝ている時に痛く成る原因として、肩が前に出ている事が多いです。
つまり、猫背、巻き肩の状態です。
肩が前に出ている状態で仰向けに成ると、痛みが出ます。
なぜなら、肩が前に出ている状態で、仰向けになると、肘が肩より下に下がります。
肩より肘が下に下がるという事は、肩の筋肉は、仰向けに寝ている間は、ず~~~~っと引っ張られている状態です。
筋肉は、引っ張られると痛みが出るという特徴が有ります。
これは、肩に限らず、腰で有っても、首で有っても、どこでも同じです。
寝ている状態で、肩が肘に床面に引っ張られる訳ですから、その場合、肩の前面が引っ張られて痛むと思います。
そこまで理解して頂ければ、おのずとやるべき事が見えて来ませんか
そうです、肩が引っ張られない様に、肘を高くすれば良い訳です。
バスタオルなどを折ったり、重ねたりして、肩に痛みの出ない高さまで、肘を高くします。

たった、それだけで、楽に寝れると思います。
肘は、曲げた方が楽なら曲げて下さい。
ただし、猫背、巻き肩を整えないと、根本的な解決策には成りません。
重要なのは、夜出ている痛みではなく、猫背、巻き肩を改善させる事なのです。

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