坐骨神経痛とは?
坐骨神経痛とは、病名ではなく、症状の総称です。
病名としては、椎間板ヘルニア、脊椎管狭窄症、脊椎すべり症、脊椎分離症、脊椎腫瘍、骨盤内腫瘍、梨状筋症候群などが有ります。
病院では、椎間板ヘルニアの病名を付ける事が多いと思いますが、それは保険の都合上とも聞きます。
海外では、椎間板ヘルニアという病名を付けられる事は少ないそうです。
当院で骨の矯正で使っているJRC関節可動回復矯正法でも、97%の椎間板ヘルニアは回復すると言われていますし、それほど大変な事ではないと考えています。
実際に、下肢の痛みや痺れがやわらいで行くのを見ていると、骨の動きや位置の問題、筋肉の異常緊張・異常収縮と言われている状態を解決すれば大抵のものは、改善するのではないかと感じます。
足首から先のしびれ
足の痺れでも、足先や足首から先に痺れに絞って考えてみましょう。
このタイプは、厳密には坐骨神経痛では無い事も有ります。
PNF筋整復法の考え方としては、椎間板ヘルニアの場合には母趾に痺れが残りやすく、他の4趾に出ている場合は、足そのものに問題が有る事が多いと考えます。
実際にJRC関節可動回復矯正法で、足の細かい骨の動きを整えて行くと、徐々に足先の痺れはやわらいで行きます。
私の場合は、それプラス、PNF筋整復法で、足趾から、ふくらはぎの筋肉のキャパシティーを広げて置きます。
痺れというのは、直接神経がヘルニアや筋肉に圧迫された場合の他に、筋肉が硬くなっている事により、血液や体液が体幹に戻れず、足に溜まって、浮腫んだ状態になり間接的な圧迫を受けて発症する事が有るからです。
正座で足が痺れるのと同じ様な仕組みですね。
梨状筋症候群
腰は痛くないけど、お尻から下が痛くなったり、痺れたりと言った症状が出ます。
梨状筋症候群とは、椎間板ヘルニアと並び、坐骨神経痛を起こす事の多い原因の一つです。
椎間板ヘルニアと、梨状筋症候群の両方を発症している場合も有ります。
その名の通り、梨状筋が緊張して坐骨神経が圧迫される事により、下肢に痛みや痺れが出ます。
何故、そこまで梨状筋が緊張して硬くなるのかについては、いくつかの説が有ります。
骨盤の仙腸関節がロック(引っ掛かる)する事により、二次的に異常収縮を起こすという説が有りますし、上半身が硬くなった場合、上半身で行うはずの捻転が出来ずに下半身を固めた様な状態で、身体ごと捻って使う為に筋肉が異常収縮を起こすという考え方も有ります。
どちらも一理あると思います。
ですから、JRC関節可動回復矯正法で、骨盤の仙腸関節の動きと、背骨、肋骨の動きを整えます。
土台となる体幹を整えた上で、PNF筋整復法で、梨状筋のキャパシティーを広げてあげる事により、坐骨神経の圧迫は取れやすくなる訳です。
体幹を整えないで、梨状筋だけ緩めた場合は、その場での改善は有っても、戻りやすいという印象が有ります。
胸椎
坐骨神経痛と背中の関係
一見関係無さそうな所ですよね。
ところが、以前に学んだ、沖縄県のアメリカン整体、比嘉進先生考案のHSTI完全整体法(現、HSTI骨格調整法)では、椎間板ヘルニアの施術部位は胸椎の8~12番とされていています。
つまり、椎間板ヘルニアの症状である、腰から足にかけての痛みや痺れが出ている人の、胸椎8番から12番の骨の歪みを探して矯正する訳です。
今考えると、背中が丸くなる事により、結果的に腰の部分では神経を突き込む様な形になり、圧迫された神経が痛みや痺れを出しているという事でしょう。
教わった当時は、何故背中なのか良く分かりませでした。
背中が整う事により、腰の部分では神経が圧迫から解放されて、坐骨神経痛がやわらぐのだと思います。
大腰筋
椎間板ヘルニアの治療ポイントと、何故その治療ポイントで改善するのかのメカニズムを、私なりに説明してみたいと思います。
もし、あなたが腰が痛かったり、足が痺れて、整形外科を受診したところ、椎間板ヘルニアと診断されました。
ショックですよね、さて、どうしましょうか
ヘルニアのメカニズムは、知っている人も多いかと思います。
その、飛び出した椎間板の髄核に神経が圧迫されて、痛みや痺れが出ます。こんな風に、椎間板の髄核がスポイトをギュッ と押した様な形で飛び出した状態がヘルニアです。
では何故、腰椎がそんなに反り過ぎてしまうのでしょうか
そこに秘密が有ります。
腰椎の前方には、腸腰筋の大腰筋という筋肉が有り、腰の骨を前方から支えています。
腰椎が前に引っ張られてしまいます。
その大腰筋が捻じれたり、萎縮したりして、硬くなり縮むと、どうなるでしょうか
前に引っ張られるという事は、先程の図の右側のような状態になりますよね。
色々な治療法を勉強していると、この大腰筋を、ヘルニアの治療点としている先生方が結構いらっしゃいます。
なぜ大腰筋なんだろう と、私自身も昔は理解できませんでした。
でも、大腰筋が緩む事で、症状が軽減して行くのですから、この筋肉が緩む事により、腰椎が前方に引っ張られなくなり、図の左側の様に正常な状態に戻るから、飛び出していた椎間板も、元の位置に戻り、神経の圧迫が無くなり、症状がやわらぐのだろうと解釈できます。
坐骨神経痛の施術
坐骨神経痛の検査
実際の施術では、上記の原因になりやすい部位を意識して検査を行います。
検査にはSTテスト(スパイラルテーピングのオーリングテスト)を使用します。
先ずは、体幹部を、❶上部胸椎、❷下部胸椎、❸腰椎、❹骨盤と4つのエリアに分けて検査します。
❶の上部胸椎に反応が出た場合は、頸椎7番や、東洋医学の寒熱などを考えます。
❷の下部胸椎に反応が出た場合は、先ほど出て来た、坐骨神経痛の施術ポイントの一つなので、下部胸椎の関節ロックを疑います。
❸の腰椎に反応が出た場合は、腰椎の関節ロックの他、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症などを疑います。
❹の骨盤に反応が出た場合は、骨盤の仙腸関節の関節ロックや、変位、歪みを疑います。
これは、一か所だけに反応が出る訳では無くて、二か所、三か所と出るケースも有ります。
逆に、一か所も出ない人も居ます。
一か所も出ない人の場合は、下部肋椎関節(11、12肋骨)、腰方形筋など、腰の筋肉、または中殿筋、大殿筋、梨状筋、外旋六筋など、骨盤の筋肉を、再度検査します。
坐骨神経痛の手技療法
問題箇所が明らかになりましたら、手技の施術に入ります。
JRC療法(関節可動回復矯正法)
JRC療法では、先ずは、原因になりやすい、骨盤の仙腸関節の矯正を行います。
それから下肢、鎖骨、胸肋関節、頸椎、肋椎関節、下部肋椎関節、胸椎、腰椎の順で、筋肉の異常収縮・異常緊張を確認しながら、関節ロックを解除して行きます。
JRC療法で、筋肉の異常な硬さや、異常な抵抗感を感じ取りながら関節ロックを解除していくのですが、関節ロックと共に硬さや抵抗感も一緒に取れてくれれば、関節ロックが原因で、筋肉が硬くなっていたという事になります。
ところが、いくら関節ロックを解除しても、筋肉が硬いままの事が有ります。
PNF筋整復法(PNFストレッチ)
その場合には、PNF筋整復法で、直接、筋肉にアプローチして、伸縮性を復活させます。
スパイラル・テーピング
最初に検査を行って、問題箇所を特定していますので、再度検査を行って、変化を確認します。
最初の検査で、❷下部胸椎、❸腰椎、❹骨盤の、三か所に問題が有った場合には、手技療法が有効で有った場合、❷下部胸椎、❹骨盤の二か所に変化したり、❸腰椎、だけになったりと変化が見られます。
残った所には、まだ問題が有りますので、更に検査を行って分類し、スパイラルテーピングを貼り、痛み、痺れの状態を確認します。
病院や他の施術所で変化が見られなかった方は、ご相談下さい。
当院の施術は、この様な流れとなっております。