手の痺れの原因
手のシビレを病院や治療院で受診すると、真っ先に疑われるのは、首の骨が狭くなり、神経を圧迫される事による症状ではないか?という事だと思います。
首・頸椎
病院の場合、実際にレントゲンを見せられると、狭い所が有り、ここが原因でしょう。
狭くなっているので、牽引療法をしましょう。
という流れになる事が多いようです。
それで良くなった方は、それで良いのですが、そうは行かないケースも多いようです。
その場合に考えなければならない事が、いくつか有ります。
一つ目は、原因は首に有るものの、牽引療法で引っ張られる事に対して、自己防衛で筋肉がギューッと縮み首の関節が開かない場合。
二つ目は、首が原因では無い場合です。
これは完全に首が原因でしょう、というものは、こんな感じです。
首から腕にかけて、ライン状に痺れているもの。
首の姿位によって痺れが強くなるもの、の2パターンです。
施術としては、首の関節を整えて行くと、筋肉の緊張が緩んで来ますので、狭くなっている関節も広がって来て、神経や血管を圧迫しなく成っていきます。
緊張が強くないものは、スパイラルテーピングを貼る事で(どこに貼るかの検査を行います)、筋肉がスッと緩み、その場で痺れがやわらぎます。
二つ目の、首が原因では無い場合については、記事の続きをご覧ください。
一つ注意としては、口の中も痺れている場合は、脳の問題も考えなければいけないので、先に病院で検査を受けて下さいね。
手根管症候群
手の痺れの範囲が、何処から何処まで出ているのかを明確にしてみましょう。
首から指まで痺れているのか
肩から先の痺れなのか
肘から先の痺れなのか
手首から先の痺れなのか
指だけの痺れなのか
腕は痺れているけど、指は痺れていないのか
朝だけ痺れるのか
など、人それぞれで有ると思います。
特に多いのは、手首から先の痺れではないでしょうか。
これは、Phalenテストと言って、手根管症候群の有名な検査法です。
手首を最大屈曲位にして1分間以上キープします。
施術としては、JRC関節可動回復矯正法で、手根骨のロック(関節の引っ掛かり)を外して、柔らかくして行きます。これで痺れが出たり、痺れが強くなれば、陽性で、手根管で神経が圧迫されている事になります。
胸郭出口症候群
手根骨が柔らかくなると、手根骨と靭帯に挟まれていた、神経が解放されていくので、痺れる必要が無くなっていくのです。
首が原因ではない、手のしびれ、で手根管症候群の他、胸郭出口症候群も考えなければいけないでしょう。
胸郭出口症候群とは、首の付け根の筋肉や、胸の筋肉が緊張する事により、腕の血管や神経が圧迫されて出る、痛みや痺れの事です。
脈拍が弱くなる、または脈拍が消える場合は陽性で、血管や神経が圧迫している事を示します。検査は幾つか有りますが、いずれも一定の姿位にして、脈拍の変化を診ます。
首の付け根の筋肉は、肩こりの記事にも書きましたが、JRC関節可動回復矯正法の肋骨の矯正で緩んで来ます。
胸の筋肉に関しては、骨の矯正というよりも、PNF筋整復法で直接筋肉にストレッチを掛けていくと緩みやすいと思います。
壁に向かっての腕立て伏せなども、セルフケアとして有効です。
手根管症候群の場合は、手首より先のしびれを出しますが、手首より上にもしびれが出ている場合は、こっちも疑ってみるべきでしょうね。
手のシビレの施術
骨・関節の施術
手のしびれを骨・関節から考えてみましょう。
関節がロック(引っ掛かる事)を起こすと、その骨に付いている筋肉は異常収縮・異常緊張を起こします。
基本的には、首から痺れている所までの関節にロックが無ければ、良い訳です。
骨盤の動きが制限されると背骨の動きに影響するので骨盤の仙腸関節、首と背中など背骨同士の関節、背骨と肋骨の関節、胸骨と肋骨の関節、肩関節、肘関節、手首、手根骨、指関節の全てから、ロックを解除します。
文字で書くと、いっぱいやらなければいけない様に見えますが、JRC関節可動回復矯正法では、サーッと流れる様な作業で行えますので、あまり時間は掛かりません。
定期的にロックを解除して行く事により、筋肉の異常収縮・異常緊張が緩和されて行きますので、血管や神経が圧迫されなくなって来ます。
その結果として、手のしびれは取れやすくなります。
筋肉の施術
筋肉から手の痺れについて、考えてみましょう。
骨・関節がロック(引っ掛かる事)すると、筋肉は異常収縮・異常緊張を起こします。
そのロックをJRC関節可動回復矯正法で、解除すると、筋肉の異常収縮・異常緊張は基本的には解消されます。
ところが中には、関節のロックを解除しても、取れない手の痺れも有ります。
そこで考えなければいけない事は、筋肉の習慣性がおかしくなり、力が入りっぱなしに成っているかも知れないという事です。
その場合、筋肉に直接「ここまで伸びても良いのですよ。」と教えてあげる必要があります。
強引に伸ばしてしまうと、筋線維を痛めてしまいますので、PNF筋整復法で一定の負荷を加えながら、筋肉との会話で相談をするような感じで、可動域を広げて行きます。
筋肉の異常収縮・異常緊張が無くなれば、血管や神経が圧迫される事が無くなりますから、手の痺れが取れやすくなるのはイメージ出来るのではないでしょうか。
筋膜リリース
筋膜リリースの場合は、筋肉と筋膜の繋がりで考えますので、ラインとして捉えます。
腕の筋肉は、アナトミー・トレイン理論によると、4つのラインで構成されています。
硬い所、動きにくい所を見つけて動かして行きます。それらのラインに硬くなっている所が無いか、探ってみます。
あくまでも揉むのではなく、動かします。
方法としては、直接その筋肉を動かすか、硬い所を軽く触れて、腕を動かしてあげます。
ちょっとしたコツが有りますが、ある程度動かしてあげると、硬さが取れて、フワッとした感触になります。
しかし、色々と試した所、この方法ではなく、アナトミー・トレイン理論のラインに合わせて、下記の軸合わせで、筋膜をリリースした方が、結果が良い様です。
上肢の軸合わせ
腕、上肢は、基本的に、肩と肘と手首の3関節で1つのユニットとして、動きます。
その3関節が揃っている事により、正常な動きが出来ます。
ところが、この3関節のどこかに関節のズレが起こると、筋肉が緊張した状態になります。
筋肉が緊張状態になると、血管や神経を圧迫してしまいます。
血管や神経が圧迫されるという事は、やはり手のしびれの原因になってしまいます。
これは、JRC関節可動回復矯正法で、関節のロック(引っ掛かる事)を解除しても、しびれが改善しない場合に行う手技です。
PNF筋整復法で、肩関節、肘関節、手首と痺れている指も一緒に、一直線に揃えて、引き伸ばします。
上手く関節軸が揃って、筋肉の緊張が取れると手のしびれも取れやすくなります。
手の痺れの中には、骨や筋肉の問題とは別に、ホルモンバランスの崩れから来るものも有ります。
ホルモンバランス
どういう事かと言うと、下腹部が冷える事などにより、ホルモンに異常をきたすと、胸部のリンパなど、ホルモンに関係の有る器官に緊張を起こします。
胸の部分に緊張が有ると、胸郭出口症候群のように、腕の血管や神経が圧迫されます。
この場合は、どちらかと言えば、血管やリンパが圧迫される様です。
血管やリンパが圧迫されるされる事により、何が起こるのか
血管やリンパが圧迫される事により、腕に流れた血液や体液が充分戻れず、腕が浮腫んだ状態になります。
浮腫むとどうなるか
浮腫んだ場合も、浮腫みにより、血管や神経が圧迫される為、痺れの原因になってしまうのです。
下腹部を温める事により、胸部の緊張も取れて、手の症状も取れて行くケースも有るのですよ。
この場合は、スパイラル・テーピングのホルモンバランスの処置を行います。