肩の痛み

肩こりについて

肩こり

肩こりについて、私の考え方を述べてみましょう。

肩こりは、基本的に肩の上の部分に有る、僧帽筋が硬くなり、重くなったり、痛くなったりする症状の総称として用いられる言葉になります。

ですので、一般的な施術では、直接その僧帽筋を揉んだり、叩いたりする事が多いと思います。

僧帽筋は、頭蓋骨の後ろ側から、首の骨1番から7番の全部、そして背中の胸椎1番から12番の全部から始まります。

腰の骨である腰椎には、付いていません。

停止部は肩甲骨になりますので、とても広い範囲に付いている筋肉です。

範囲は広いのですが、肩こりという症状については、上の部分に出る事がほとんどではないかと思います。

私の場合は、この僧帽筋を直接揉んだり、叩いたりといった事は一切行いません。

何故かと言うと、その僧帽筋が硬くなる原因は、僧帽筋上部そのものでは無いからです。

一番重要なのは、第一肋椎関節です。

以前の記事にも書いた事が有りますが、胸椎と肋骨の関節が引っ掛かると、僧帽筋は異常収縮を起こし緊張状態になります。

腰で有れば、骨盤の仙腸関節が引っ掛かると、脊柱起立筋が異常収縮します。

肩の場合は、第一肋椎関節、場合によっては、第二肋椎関節や、第三肋椎関節の引っ掛かりが原因になる事も有りますが、圧倒的に多いのが、第一肋椎関節です。

背中が丸くなっている方の場合は、第二肋椎関節や、第三肋椎関節が原因になる事が有るという印象です。

しつこい肩こりの場合は、第一肋椎関節、第二肋椎関節、第三肋椎関節と3ヶ所とも矯正する事も有ります。

関節が引っ掛かると、その周りの筋肉は、異常収縮を起こす習性が有ります。

そして、もう一つ、筋肉は引っ張られると硬くなる習性が有ります。

スマホっ首

例えば、ストレートネック、スマホっ首など、頭が前に出ている状態では、僧帽筋が引き伸ばされてしまいます。

僧帽筋が引っ張られる訳ですから、硬くなります。

つまり、肩こりになってしまいます。

頭や首の位置も整える必要があるのです。

勿論の事ですが、ストレートネック、スマホっ首の状態では、肩こりや、首こりに成りますし、上部頸椎が硬くなると、頭痛、めまい、耳鳴りなどを引き起こします。

頭痛

頭痛は、痛みの出ている側の頸椎1番から3番を探ると、ポコッと出ていますので、それを矯正してあげると、やわらいだりします。

中には、頭の筋肉に筋硬結が有り、ボコッと腫れた様な状態に成っていて、それが原因の人も居ます。

そんな時は、直接その硬結をジワーッと押して、硬結を小さくします。

すると、やわらいだりします。

めまい、耳鳴り

めまい、耳鳴りに関しては、耳の中の問題なので、ちょっと複雑です。

直接、鼓膜の奥を触れる事はできませんから、首の骨を整えて、首の筋肉の張りを取って行きます。

首の骨が整っていくと、頭部の血液、体液循環が改善するため、内耳の浮腫が取れれば、めまいが取れて、音を伝える耳小骨を支えている筋肉が正常に働けるようになると、耳鳴りがやわらぐというメカニズムになります。

肩こりに関しては、下部頸椎が関係しやすくなります。

ストレートネック、スマホっ首になると、頸椎の5番、6番、7番が前方に出て固まっているケースが珍しくありません。

普通にマッサージや矯正をした程度では、びくともしないケースも有ります。

大きく動かす事で、ほぐれるものも有りますが、それでも動かない場合は、患者さん自身の筋力を利用して、大きく顎を引く運動をしてもらいます。

運動療法として、ご自身でも時々やってもらい、ほぐして行きます。

猫背

次に背骨について考える必要が有ります。

特に背中、つまり猫背ですね。

猫背の状態では、頭も前に出て、ストレートネックになります。

僧帽筋も胸椎12番まで付いています。

つまり腰の骨である腰椎の、ぎりぎり上まで繋がっている大きな筋肉です。

猫背になると、その僧帽筋が、上からも下からも引っ張られる訳です。

筋肉は、引っ張られると緊張状態になりますから、硬くなります。

この場合、肩こりだけではなく、背中にもコリを感じる事が多いと思います。

巻き肩

続いてチェックするポイントとしては、肩甲骨になります。

背筋が伸びていても、肩甲骨が外に広がっていると肩こりの原因になります。

肩甲骨が外に広がった先は、肩が前方に出て、内側に巻いて来ます。

つまり、巻き肩ですね。

巻き肩も、やはり僧帽筋が引っ張られる状態になります。

引っ張られるという事は、緊張状態になりますから肩こりになります。

外側に広がって、前方に出ている肩甲骨は、後方に戻し本来の位置に持って行く必要が有ります。

たいていの肩こりは、それらを意識して矯正する事により、僧帽筋の筋繊維は、引っ張られて緊張していた状態から、たわんだ状態になりますので、触っても柔らかくなります。

それらを矯正しても、どうしても本来の位置に戻れない事が稀に有ります。

大胸筋や小胸筋など、胸の筋肉が縮んでしまっている場合などに起こります。

その場合には、胸の筋肉にPNFストレッチのPNF筋整復法を掛けて、可動域を広げます。

すると、肩甲骨の位置が本来の位置に戻れる様になり、僧帽筋が引っ張られなくなります。

僧帽筋は、たわんだ状態になりますので、柔らかくなる訳です。

まとめますと、肩こりは、コリの出ている肩だけが原因ではなく、身体全体の姿勢や使い方によっても起こるものだと言うことですね。

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