オスグットシュラッター病
オスグッド病になる原因は?
オスグッドシュラッター病とは、成長期のお子さんに起こる、疾患です。
この疾患の場合、放置して自然に痛みが引くのを待つと、変形が進みます。
そして、何故か身長が、あまり伸びなくなるという事がよく起こるようです。
一番最初の師匠がよくその話しをしていました。
師匠は、学生時代にオスグッド病に成り、ちゃんと施術を受けて良くなったそうです。
身長は、私よりも大きく、180センチほど有ります。
弟さんは、オスグッド病に成ったけど、そのままにしていたそうです。
身長は、小柄で、170センチも有りませんでした。
それは、たまたまかも知れませんが、患者さんで来る学生達を見ていても、やはり同じ事が起こり、ちゃんと施術した子は、背が伸びるし、しない子は、あまり背が伸びなかったそうです。
自己防衛として、成長を留めてしまうのかも知れませんが、原因は明らかになっていません。
特に活発に運動をしている子供に多く、成長期に起こります。
ジャンプを行うスポーツは特に骨の成長が早くなりますので、骨の成長に対して、筋肉の成長が追いつかない、という事が起こります。
そんな場合に発症します。
発症のメカニズムとしては、ももの骨が成長により長くなります。
それに対して、もも前面の筋肉は成長が遅く、ひざ下のすねの骨を引っ張っています。
その状態で、運動すると、もも前面の筋肉に、すねの骨が引っ張られ過ぎて、剥がれて来ます。
レントゲン撮影すると、骨が崩れた様な写真になります。
出てしまった分は、あまり戻せませんが、痛みを取り、それ以上に出ないようにする事は、施術により行う事が出来ます。
オスグッド病の施術
オスグッド病のPNFストレッチ、筋整復法
オスグッドシュラッター病の施術は、何をすれば改善するのかについて考えてみましょう。
この疾患は、ももの骨が、ももの筋肉よりも早く成長して、すねの骨が引っ張られ、引き剥がされる事により発症します。
では、どうすれば引っ張られなくなりますか
ももの骨の成長に、筋肉が追い付けば、引っ張られなくなりますよね。
でも、それを待つのでは月日が掛かります。
痛いのでスポーツも全力を出せません。
痛いまま無理をすると、更に出っ張って来ます。
ここは、筋肉の成長を待つのではなく、筋肉の伸縮性を高めるべきでしょう。
先にJRC療法(関節可動回復矯正法)で、下肢の股関節、膝関節、足関節、足根骨、中足骨、足趾骨などの関節の動きを整えます。
それは、関節ロック(引っ掛かり)が有ると、筋肉に異常収縮・異常緊張が起こり、筋肉が硬くなっていますので、先に解除して、余計な筋肉の硬さを取り除きたいからです。
それから、伸縮性が低くなっている筋肉に対して、PNFストレッチの筋整復法を行います。
PNF筋整復法の大腿四頭筋手法
他の手法も使いますが、この手法が決め手法になります。 四頭筋手法には、一段階、二段階、三段階と有り、この写真は二段階の物です。 |
ももの筋肉の伸縮性がアップする事でも、すねの骨を引っ張らなく出来るのです。
過剰に引っ張られなくなれば、痛みも引き、それ以上出っ張る事は無くなります。
ただし、これは電気を掛けて揉むだけでは、伸縮性は高まらないようです。
恥かしながら私自身も昔、勤めていた頃や、開業当初、筋整復法を教わる前は、何か月もかけてオスグッドシュラッター病の施術をしていた思い出が有ります。
PNFストレッチの筋整復法で、この大腿四頭筋を全体的に狙った場合、数回の施術で痛みがやわらぎます。
さらに四頭筋手法三段階で、深い所に有る、中間広筋を狙うと、もっと早くやわらぐ事も有ります。
オスグッド病のテーピング療法
オスグッドシュラッター病の発症原因は理解して頂けたかと思います。
では、手技に続き、オスグッドシュラッター病の痛みを軽減させるテーピングをご紹介します。
この場合は、痛い所に直接貼るのも一つの手ですが、ちょっと変わった方法として、スパイラルテーピングの貼り方が有ります。
痛い所ではなく、痛い所の裏側に貼ります。
膝の裏側の、少し下に手を当てて膝を動かしてみます。
一番痛みが軽くなるラインを探します。
見つかりましたら、そのラインに対して、右上がりに二本、続いて左上がりに二本貼ります。
最初に貼った右上がりのテープに対して、左上がりのテープがクロスする形になります。
当院の場合は、JRC療法で関節の動きを整えて、PNF筋整復法で筋肉の状態を整えてから、この様なテーピング処置を行います。
ある程度、改善した後は、オスグッド病の出っ張りに直接、クロステープを貼付します。
更に、剥離骨折の様に、剝がれかけている状態ですので、ジワーッと押し込みます。
それは、少しでもオスグッド病の出っ張りを小さくする為です。
押していくと、ジワジワと萎む様な感触が有り、萎むのが止まる所まで押し込みます。
いくつかの角度から押し込み、萎む方向が無くなったら、その日の施術を終了します。